ロシア認証,ウクライナ認証に関する用語と定義

2021年1月1日からの「新しい適合性評価(認証)基準」によるEAC認証手順(EAC申請)

 - ロシア向けEAC認証及びウクライナ認証について -

・現在のロシアのウクライナ侵攻に鑑み、当社ではロシア向け認証受付を停止しています。(2023年)
ウクライナ認証についてはJICAのOECDウクライナ復興支援の目的もあり、認証受付を行っています。(2023年)

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EAC認証を申請する際の注意点

制裁と政治的論争にも関わらず、ユーラシアと特にロシアの市場は多くの製造業者にとって魅力的なままです。 対応する適合性評価(EAC認証、又はEAC宣言)は、その複雑さ、言語の違い、及び産業安全と消費者保護の分野における技術規制と法律の非常に頻繁な改定により、日本企業を含む多くの外国企業にとって大きな障害です。 EAC認証は、多額の費用と時間の支出に関連するだけでなく、製造業者にとって大きなリスクとなる可能性があるため、EAC認証制度を正しく理解する必要があります。

【コンサルティング会社(アドバイザリー会社)】
EAC認定のトピックは非常に複雑であるため、製造業者は、適合性評価のすべての段階でアドバイスを提供できる、経験豊富で有能で信頼できるパートナーを最初から見つけることが重要です。 大企業は通常、品質保証、CE適合、及び輸出の分野で幅広いノウハウと深い知識を持っています。 それにもかかわらず、しばしば彼らの能力の限界に達するので、外部のアドバイスを必要とします。 これは中小企業にも当てはまります。中小企業は、従業員に適切な言語的および技術的スキルを与えること、広範な専門知識を習得することが困難です。

【コンサルティング会社(アドバイザリー会社の業務】
・EAC認証取得で製造メーカーを申請から証明書類受領まで支援します。
・製品を正しく分類し、必要な技術文書を作成し、的確な技術翻訳を行います。
・そして何よりも、「適切な認定認証機関」「適切な試験所」、及び「誠実な認定申請代理人」を選択すること。

*コンサルティング会社が認証においてこのように重要な役割を果たす理由は、EAC認証の過程で、認証機関ではなくコンサルティング会社が連絡先となるためです。
*経験によれば、一部の日本企業は、直接「ロシアの認証機関」に申請を行います。しかし、認証機関の要求ややり取りに時間と困難さが伴う事は事実です。 又、ロシアの認証機関は、法的な根拠、詳細な説明及び改定される技術規則の提供は行いません。
困って、弊社へ問合せがありますが、弊社では認証を伴わない情報提供、コンサルティングは行いません。又、弊社のように、深い法的知見と10年以上の認証実務経験を持つコンサルティング会社は 日本国内で非常に貴重です。
*弊社のようなコンサルティング会社がなくなれば、 日本国内で知見を有する企業がなくなります。結果、困るのは日本企業である事をご理解下さい。

【認定申請代理人】
ユーラシア経済連合の現行法によれば、EAEUの領土に法人登記された企業のみがEAC認証またはEAC宣言の登録を申請することができます。
ユーラシア経済連合の外、例えば日本、中国、東南アジアやEU諸国に所在する企業は、通常、自社製品を自己認証する権利がありません。
これは、特に外国企業が技術規制に違反している場合、EAEUの関連規制当局が要件を施行することが困難になる可能性があるためです。

この問題は、ユーラシア経済連合の正式な代表者(以下、認定申請代理人という)を任命して、製造業者に代わって認証を実施することで回避できます。
*認定申請代理人が市場監視の連絡窓口として機能するため、次の条件を満たす必要があります。
・認定申請代理人は、経済同盟の加盟国の1つの地域に登録されている必要があります。
・EAC認証またはEAC宣言を実施するための製造業者と認定申請代理人との間の契約を締結する必要があります。
認定申請代理人は、品質および安全基準を順守する責任を負います。

さらに、EAC証明書または宣言の所有者は、製造者ではなく認定申請代理人です。 誰がEAC証明書を使用できるかを決定できるのは、申請者としての認定申請代理人だけです。
これは、製造業者の要求に応じて、権限のある代表者(認定申請代理人)がユーラシア経済連合の各輸入業者に「委任状(power of attorney)」を発行して、 輸入者(通常は購入者)が輸入通関時に税関に提示できるようにする必要があることを意味します。

「委任状(power of attorney)」制度がなければ、商品は自由に流通するために解放されず、最悪の場合、荷送人の費用で処分されなければなりません。
従って、製造者は彼の「認定申請代理人」にいくらか依存するようになります。残念ながら、権限のある代表者が突然姿を消して姿を消すことは珍しくありません。
これにより、新しい「委任状(power of attorney)」を付与することはできず、代理人が申請者として指名された非常に価値のある証明書は使用できなくなります。
ですので。EAC適合性評価には、信頼できる信頼できる認定代理人を選択することが非常に重要です。

「申請代理人をロシア現地代理店若しくは現地輸入者に任せるリスク」
・中小企業及びロシア極東向けの製品輸出に際し、EAC認証に関する知見が無い為現地代理店に任せるケースが多く見受けられます。
・しかし、これは大きなリスクを含みます。現地代理店も同様に知見を有していません。
・従って、EAC認証過程での違法行為は、製造者も法的罰則を受けます。
・又、前述の「委任状(power of attorney)」は、現地代理店しか発行できず、事実上、現地代理店とは独占契約になります。
・非常に安易に現地代理店にEAC認証を任せる事に、リスクがある事を日本企業は理解していません。

【認証機関】
認証機関は、EAC認証プロセスにおいて中心的な役割を果たします。
(認証機関のタスク)
・製品の識別と分類
・製品サンプルテストのためにサンプルを採取する
・製品の種類に対応する技術規則の決定
・認定された試験機関へのサンプルの出荷
・技術文書の分析と評価
・生産監査の実施
・証明書の発行

認証機関のサービスは、適合性評価手順全体の中で最も重要なコスト要因の1つです。したがって、認証機関は慎重に選択する必要があります。

(頻繁な詐欺)
残念ながら、認証機関は今日でも市場を支配しており、製品を最大限に充実させるために、製品の検証なしでEAC証明書を発行しています。
場合によっては、彼らは非常に不謹慎な商慣行を確立し、それらを追跡することを非常に困難にする非常に不透明なビジネス構造を使用しています。 EAC証明書を取得するために、テスト記録または最終レポートが改ざんされることがよくあります。
従って、2019年以降、税関を含む監督当局は、監査プロトコルと最終報告書を検査する権限を与えられています。
又、監査のサンプルが実際に導入されているかどうか、認定された専門家がEAC認証の監査を実施しているかどうかを確認する必要があります。
その結果、規則違反にもかかわらず発行されたEAC証明書はほとんどありません。
更に、この点に関して長い間法的な不確実性があったため、検査管理を実施することも問題でした。
検査管理を実施する義務は技術規定に明記されていましたが、検査管理手順を説明する基準はありませんでした。
また、検査管理が時間通りに行われなかった場合、またはまったく行われなかった場合の制裁措置もありませんでした。
認証機関はこの法的な抜け穴を何年にもわたって悪用しており、検査管理の必要性を製造業者に通知していないか、検査管理を実施したと偽って伝えていました。

この法的な抜け穴を塞ぐために、2020年1月1日以降、検査管理を別の認証機関に移管することが可能になりました。 上記の理由は、認証機関の選択が適合性評価手順の重要なステップであることを示しています。 下げって、経験豊富な専門コンサルタントとこの問題について話し合うことをお勧めします。

【試験機関とテストレポート】
・ラボには、認定ラボと非認定ラボの2種類があります。
・EAC宣言手順では、テストレポートは認定されたラボと認定されていないラボの両方によって発行される場合があります。
・認定されていない試験所を使用する場合は、慎重に選択する必要があります。一部ラボは、テストに必要な人員や機器がありません。
・そのようなラボは試験サンプルの通関貿易書類を提供することができず、彼らの行動に責任を負わないことがしばしば起こります。
・そのようなラボからのテストレポートに基づいて発行されたEAC宣言は、税関、消費者権利保護の分野における監督のための連邦サービス、又はRosstandartなどの監督当局による検証後に無効と宣言されます。
・又、ロシア以外の試験ラボで発行されたテストレポートに基づき発行された証明書や宣言書は無効になる可能性があります。
・EAC認定手続きでは、EAEUで認定され、認定審査官の登録簿の国内部分に記載されている試験所によってのみ発行される試験報告書が必要
・認証機関は試験所を選択し、試験のためにサンプルを送ることができます。

ロシアとEAEUの適合性評価手順は絶えず変化しており、再規制されています。
昨日一般的に受け入れられていた商慣行が今日ではもはや適切でない可能性があるため、法規制と基準はほぼ毎日更新されます。
最新の状態に保つ為、有能で経験豊富なパートナーである【コンサルティング会社】を選択される事をお勧めします。


日本企業を含む外国製品の新しいルールの認証手順(EAC申請)

EAC製品認証で要求される必要書類は、全てロシア語翻訳が要求されます。これは法令で準拠が要求されています
又2020年1月1日以降は、提出された書類は全てデジタル化され、証明書類の登録を行う連邦認定サービス(Rosaccreditation )サイトへアップされ、通関時に税関での閲覧が可能となる。
2021年1月1日以降に発行される証明書類で、特に注意が必要なポイントは以下の通りです。

1.適用される技術規則により要求される技術文書(Technical Documentsと呼ばれる)は異なるが、Tecnical PassportSafety JustificationRisk AnalysisStrength calculation sheetOperating Manualが要求される製品は、同技術文書を必ず作成する事。
2.作成に際しては、該当GOST規格に基づきロシア語で作成する事。
3.提出書類は、全てロシア語翻訳を行う事。
4.グローバルトレードアイテム番号-GTIN及びグローバルロケーション番号GLNの準備を行う事。2021年からCertificateに記載される為。
5.必ず試験用サンプルはロシアへ送り製品の試験を行う事。その際、税関手続きを行う事
6.書類だけでの試験報告書(Tes t report)は違法であり、発行されても後日無効にされる。
7.試験ラボで作成された試験報告書の発行月日と連邦認定サービスサイトへ登録された試験報告書の発行月日は必ず同じであること。
8.EACマーク及びラベルは、技術規則で要求される項目を通関前迄に指定場所に貼る事。

適合性評価(認証)における用語の説明

a)製品の認証を受ける場合、技術規則及び関係法令に記載されている用語の意味を正しく理解する事。
b)生産状況分析、定期評価が必要かどうかは各技術規則の中に記載されている。

適合評価=認証の意味
標準スキーム=認証に際し、出荷形態、認証形式等の評価形式をいう。
適合認証標準スキーム=Certificate認証の際のスキーム
適合宣言標準スキーム=Declaration発行の際のスキーム
国家登録標準スキーム=国家登録の際のスキーム
サンプル選択及び製品テスト=Test report(プロコトル)
生産状況分析(Factory Inspection)=工場検査の事
定期的評価(Annual Inspection control)=発行済証明書に対し、認証時と同様な生産状況を維持しているかの確認検査

ステップ①-提出書類の審査過程

下記の書類を認証機関て提出する。認証機関は提出された書類を審査する。
a)申請代理人が用意する書類
・申請人(代理人)に関する書類コピー一式
b)製造者が用意する書類等
・製造者、製造工場にに関する書類一式
・製品に関する書類一式(全てロシア語翻訳)
・技術文書一式(Technical passport,Operating Manual,Safety Justification,Risk Analysis..etc )

C)弊社へ認証依頼される場合、弊社が提供するサービス・文書
[認証依頼時]
・認証依頼契約書(弊社書式)
・提出書類一覧表
・Application Form(申請書フォーム)
・全権委任代理人契約書雛形(シリーズの場合)若しくは供給契約書(Batchの場合):ロシア語・英語併記
[試験用サンプル選定及び出荷時]
・サンプル出荷方法及び提出書類の手引き
・通関提出書類見本
[工場検査時」
・生産状態分析実施合意書雛形
・ビデオ撮影とサンプリングを行う従業員の任命に関する命令書雛形
・生産状況分析(工場検査)のビデオ撮影要件書
・製造者が提供する必要がある書類推奨リスト

ステップ②-サンプル製品の送付及び製品サンプル試験過程

・適合証明書の場合、試験は必ず認定を受けたロシアの試験ラボで行う。
・指定された数のサンプル製品を試験ラボへ送付する。その際、指定された書類一式を通関の為、用意しロシア側へ送る。
サンプルがロシア税関で通関した書類は、実際にサンプルテストが行われたエビデンスとなる。
・ロシア税関で通関した書類が無い物は、正式に製品テストが行われたと認められない。(ロシア税関法)
・送られたサンプル製品は、公認試験機関でテストが行われる。
・試験結果は、試験報告書が作成され、証明書類発行の可否の重要な判断材料となる。
*認証の為のサンプルのロシア輸入はロシア税関法では、手荷物、郵便、又は宅配便での輸送は許可されていません。
・試験用サンプルの送り方実務の詳細は【こちら】から

ステップ③-適合性評価の実施:生産状況分析(Inspection control)過程

・連続して輸出されるシリーズ認証には、製造者が製品の生産管理が要件を満たしているかの精査が認証機関によって実行される。
・適用される技術規則によっては、「Factory Inspection:実地工場検査」が要求される。
・コロナ禍の現在は、リモート(Web)工場検査が行われる。
・リモート工場検査の方法は2種類。「オンライン検査」と「ビデオ撮影ファイル」提出の2種類
・コロナ禍の現在、ビデオ撮影は実際の工場検査行程に準じて撮影される(7行程)
・指定された内容(7要件の行程)ビデオ作成を行う。
・指定された書類一式(13製造行程要件に基づき)、それぞれの行程の書類を用意する。提出書類は、少なくとも13書類でロシア語訳要

ステップ④-適合証明書(又は適合宣言書)の発行基準と登録過程

・以下の基準を満たしている場合、Certificate(証明書)、Declarationの発行及び登録サイトへ登録される。
・サンプル試験結果が要求されるGOST規格を満たしている。
・GOST R 54293-2020(生産状態分析の実施手順)に基づき生産状況分析が行われている。
ユーラシア経済委員会決議N.44 (適合性評価標準スキーム)に基づく認証
GOST R 54293-2020及びユーラシア経済委員会決議N.44(これは最も重要)の日本語翻訳版は弊社サイトで販売中

ステップ⑤-統一適合マーク(EACマーク)とラベリング過程

・統一適合マーク(EACマーク)は、認証/宣言での必須の適合確認手順に合格した後に製品に適用されます。
・全ての技術規制では、製品は市場で流通させる前にEACマークを貼付する必要があることが示されています。
・EACマークとは別に各技術規則には、ラベルに記載する項目が規定されています。
・製造業者は工場又は倉庫で「法令で定められた項目をEACマークと共」に、ラベルとして貼付する必要があります。

ステップ⑥-証明書発行後の適合性評価(Annual Inspection control)過程

*多くの場合、日本企業はこの「適合性再評価」過程を気に留めないが、実際は費用、サンプルテスト等が発生するので注意が必要。
・複数年有効の証明書は、「Annual Inspection control」が法的に要求される。
・複数年(3年や5年)有効の証明書の場合、継続して生産管理要件を満たしているかの適業性再評価が、毎年行われる。(費用発生)
・「Annual Inspection control」には、2種類の検査方法があり、1つ又は2つの方法が取られる。
・毎年の適業性再評価の実施時期は、認証機関が決定する。
・適合性再評価を拒否した場合、証明書効力の一時停止や失効が認証機関によって行われる